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やけに静かに俺の後をついてくる木ノ実ちゃん。
「……」
なんで喋らないのかな?
やっぱり俺が何か言ってしまったのだろうか?
とりあえず目的地に着いた事だし。
「ここどこですか?」
「ま、いいから中に入ろう」
さっさと二人分の入場券を買って中に入った。
「植物園ですかぁ」
「散歩にはいいかな?って思ってさ。つい最近ここ見つけたんだよ」
「そうですか」
心なしかキョロキョロしてるあたりを見て喜んでくれているらしい。
「私こういうの初めてですよ。なんだか植物に囲まれてワクワクします……」
「喜んでくれて嬉しいよ」
「植物に搦め捕られるぅ……」
「怖いからそういう想像するのやめなさい!」
怖いってもんじゃねー。背筋がゾクッとしたぞ。
「おにーさんだけぇ」
「俺限定の恐怖ってなんだよ!?」
うん。
楽しい会話だった。
しかも言葉の一つ一つに相手のボケと突っ込みの技量が試されてる気がする。
こんな在方と話してる時と感じが似ている。
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