まえがき

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 私は人を殺した。これはそれについて書いた私小説である。  何故わざわざ小説に、と思う方もいるだろうが別に理由はない。  そもそも理由がいるのか疑問を感じる。あなたはそれを知ってどうするのだろう。  あなたが何故理由を知りたいのか……。  それは好奇心。  人間は好奇心によってアクションを起こす。先ほど理由はないと言ったが実は無意識に好奇心が働いたからかも知れない。  生きていく中で、全てを自覚するのは不可能である。むしろ無意識の行動の方が比重は大きいだろう。  あなたはなぜこの小説を読もうと思ったのだろう。  それは少なからず好奇心をくすぐられたからではないだろうか。  さて、前置きはこれくらいにしておこう。  無駄話が過ぎるとあなたは読むのを辞めてしまう。  無駄というのは短いに限る。長すぎればそれは苦痛でしかない。
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