第1章

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 現実逃避であるその言葉を必死で放り出す。  いつの間にか手が止まっていた、ゲームを再開する。  人生も電車みたいに行く先が決まっていれば楽なのに。  あるいは、このゲームみたいにリセット出来れば……。  放り出した言葉がブーメランのように戻ってくる。  投げて、戻って、捨てて、拾って……。   そうだ。帰ったら山田にメールをしないとな。  ふと、友人のことが頭に浮かんだ。山田とは、赤井が大学で知り合った友人でテスト前などはノートの貸し借りなどをする程の仲である。  今、赤井がやっているゲームも山田から借りたものである。  新しいゲームを借りないと。小説でもいいんだけど、眠くなっちまうからな。
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