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「さっむーい」
菊丸は体を少し震わせた。
「英二、マフラー忘れてるぞ」
大石が白のマフラーを手に持って、英二の後を追い掛ける。
ふわっと菊丸の首辺りが暖かくなって、首に白い毛糸たちが巻きついた。
「大石ー、さーんきゅ」
にこっと笑って、菊丸は大石の手を握る。
「寒いのか?」
大石は微笑む。
「寒いのかー?じゃなくて、なんでそんなに冷静なの?」
少しムッとした菊丸のほっぺが膨らむ。
「なにが?」
あくまでわからないみたいだ。
菊丸は完全にへそを曲げて大石から目を逸らした。
「大石は俺と一緒にいてドキドキしたりしないの!?」
頬を少し紅くして菊丸は言う。
大石の体が固まる。
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