『第零幕~プロローグ~』

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エルスの話をまとめるとこんな感じだ。     今から、二時間前。   エルスは、約束通りに行こうと通りを走っていた。   後もう少しで着くと言うところで、ふと、行列が出来ているたい焼き屋が目に入ったらしく、条件反射で、その行列の後ろに並び、一時間後、沢山たい焼きを購入。   いざ行こうとするが、出来心からクロムを驚かそうと、黒装束と黒覆面を服屋で購入。   そして、約束の場所である桜がいっぱいある場所にあともう少しと言うところで、何か柄の悪い奴らに絡まれ、路地裏に連れ込まれそうになった瞬間、ムカついたらしく、その柄の悪い奴らを御自慢の大剣で、半殺しにして、今に至る。     「どうだ、大変だったんだぞ!」   エルスは、思いっきり胸を張り、勝ち誇った顔で説明を終えた。       「……柄の悪い奴ら云々はどうでもいいんだが、たい焼き屋と服屋で――いくら使った?」     「えっと――有り金全部☆」   エルスは、悪びれた様子もなく、恐るべき事を言った。   それから、エルスがたい焼き3日間抜きになった事は言うまでもない。
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