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人間の二倍程のドラゴンは、目が血走り、口からは唾液が溢れている。
「――白銀円舞一の舞」
少年は、ぽつりと呟くと、自分の身長の二倍程あって、銀の装飾が施された槍を振り回し、ドラゴンが来るのを待った。
刹那――ドラゴンは、少年に接近する足を止めず、突進してくる。
「――紅雪の舞」
ドラゴンが、少年の槍の射程範囲に入った瞬間、少年は槍を振り回し、まるで、何か柔らかい物を切るように、ドラゴンの手を、足を、翼を、頭を斬り捨てた。
数秒遅れて、はね飛ばされた各部分から血が流れ出る。
それは、まるで
季節外れの紅い雪が
降っているようでした。
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