序章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
  ………ビーッビーッビーッ     警告のブザーが鳴り響く。       『大統領、船の準備が整いました!早急に乗船下さい!』      ビーッビーッビーッビーッビーッビーッ………【Bブロック、閉鎖します】     恐ろしいウイルスがすぐそこにまで迫ってきていた。       『しかし!国民はどうする!?大統領の私が国民を見捨てろと言うのか!?』     すかさず彼の部下は言い返す。 …いや、怒鳴るに近いかもしれない。     『あなたはこの国の重要な人物です!早く乗って下さい!すでにBブロックまで汚染が進んでいます!』       なかなか動こうとしない首相を無理矢理数人で担ぎ、彼らは建物だったものを後にする。               空が暗褐色に染まる。 あぁ、これはこの世の終わりだろうか。           世界各国の首相、著名な政治家、科学者、学者、スポーツ選手や作家、俳優… およそ1000人を宇宙にある巨大船に運び込んだ。 全て人類にとって【重要な人々】だ。 逆に言えば、世界各国から集めて1000人しか重要では無いと言えるのかもしれない。           置き去りにされた、数十億の人々… 彼らの選択は… 【死】か…       それとも…
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加