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そんな高田に黒木が話し掛ける。
黒木「高田、飯は旨いか?」
高田「はい…美味しいです。」
気の抜けたような力のない返事が返ってきた。
黒木「そうか!そいつぁよかった!飯がマズイなんていったら、俺が主計の連中に文句の一つでも言ってやらなきゃいかんとこだった。」
笑い声が響き渡る。
だが高田は心ここにあらんといった感じのままだ…
…………
黒木「高田…怖いか?……だがおれも怖い」
高田「えっ?」
黒木「俺はな、ミッドウェーの時に沢山の戦友を守ってやれなかった……。死なしちまった…。あんなに近くにいて、救えなかった奴らが沢山いたんだ。」
……………
黒木「だからな…そんとき誓ったんだよ……次、次のときは必ずお前らを死なせたりなんかしねぇって。俺がぜってぇ守ってやるって!」
黒木「だけどな、お前らをもし失っちまったら…そう考えちまう。情けねぇよな誓ったはずなのに……」
高田「分隊長……」
黒木「わりぃ、変な話しちまった…だが心配するな、俺の命にかえてもお前らだけは守ってやるからよ!」
森「黒木さんにこんなくさい台詞を吐かちまったんだ、元気くらい出さないとな」笑ってそういった。
周りのパイロットもつられて笑い始めた。
高田の顔にも笑顔が少し戻っていた。
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