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………
それからしばらくして
黒木らが端鶴艦上で休憩をしていると同じく休憩中であろう若い水兵らの会話が聞こえて来た…。
?「おい!森田聞いたか?」
森田「何をだ?」
?「第一群が敵にやられたらしい…。」
森田「!?何だって!……でどうなっているんだ?」
?「艦戦が奮戦したようだが、敵の数が多くてな、第三艦隊ありったけの戦闘機を注ぎ込んだそうだが、蒼龍がやられて、赤城と、新型も損傷したらしい。」
中河「それは本当か!?」
たまらず中河が聞いた。
二人はやや驚き気味であったが、すぐに答えた。
?「はい…うちの艦にそう通信が入ったようです。伝令中にたまたま聞いたのですが本当だと思われます。」
中河「なんてことだ……。」
彼は肩をがっくりと落とす。
一瞬の間沈黙が場に流れた。
黒木「中河…こっちへ来い。そこの二人もう行っていいぞ。」
二人「はい…失礼します。」
黒木は中河から蒼龍には幼なじみが乗っているんだ…そう聞いたことがある。
二人は本当に仲がよかったらしい。
軍に入って、進むべき道を違えた今でも、時々あっているらしい……。
黒木「中河……。」
黒木も親友を無くした気持ちはよく分かっていたが、中河のやり切れない表情を見ていると言葉が出てこなかった……。
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