プロローグ

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  だからだ。 そういった時のために、保険をかける。 サンヨは自分が知る限りの封印破りを、全てタイシに教え込んだ。これで、   「後は“その時”が来るまでお前が死なないことヨ。いつ来るかなんてわからないし、来ないかもしれないけど。誰にも見つからないように、隠れて様子を見てろヨ」   サンヨなりの保険は完成した。 あまり信用出来たものでも無いような気がするが、出番があるか無いかもはっきりとしていないのだ。いいだろう。 サンヨの中で存在感のあった不安は、少しばかり小さくなった。だが、今までに見てきた多くの戦いの中で、特殊な技を受けて封じられていった強者たち……。彼らの姿を思い出すと、どうしても恐くなる。   そんなサンヨの前で、念願だったロンのための仕事を貰うことがタイシは、存在するかどうかもまだ疑わしい活躍の場を妄想し、興奮で震えていた。武者震いだ。  
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