プロローグ

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  その震えを見ていると、サンヨは別の意味で震えてきそうになった。不安が増えないように、早々に立ち去ることにしよう。心配しなくても大丈夫だと、そう信じて。   「じゃあ、俺はもう行くけど」   そう言って向けられたサンヨの背中に、タイシは黙ったまま深々と頭を下げた。   「ま、精々がんばればいいヨ」   サンヨは、宇宙を目指すロケットのように…… 真っ直ぐ、高く、勢い良く飛び上がると、そのままロンの下へと向かう。 その最中、いくつかの顔が頭に浮かんだ。   【理央】【メレ】【ゲキレンジャー】   ロンが今現在気にかけている者たちの顔である。彼らを見ていると、不老不死の身には必要の無いはずだった「無限道」未来永劫に続く輪廻への恐怖が、静かに沸き上がってくる。これが不安の種だった。  
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