0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「川中はんあんた一体何したのや?」
凶極は昔取った杵柄と言わんばかりの、借金の取り立て屋時代に戻った口調で川中を詰問した。
「えぇ、急に京極さんが仕入れた魚をあらいにして、お出ししたら急に先生が苦しみだして。凶極さんこそ一体何をされたのですか?」
凶極の詰問に対して、反論した川中だったが次の瞬間近所の人から通報があり警察が踏み込んできた。
「警察だ動くな!事件の証拠を隠滅されるわけにはいかないからな。少しでも動いたら射殺する。」
警察の言っていることは嘘ではなかった。
「うぅ、苦しい早く救急車を」
その時既に息絶えたかと思われていた、遊山が助けを求めている。
「その時私は遊山にまずは落ち着いてもらうように説得しました。彼は死の恐怖でとても混乱していました。その状況ではレスキューにも行けません。しかし、私が優しく問いかけると彼も落ち着きを取り戻したらしく、現在いる住所を教えてくれました。しかし、彼はまたそこで意識を失ってしまったのです。」
遊山は警察に射殺された。
「凶極!貴様をこの事件の最重要容疑者として逮捕する!」
警察はそう言い放ち、凶極は連行された。
警察に連行されていく、凶極氏の背中はかつての闇金王として名をはせた男の面影は無く、それはそれは小さな背中だった。
「凶極さん…」川中は彼の背中を見送りただそうつぶやいた。
最初のコメントを投稿しよう!