まじない屋

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学校についた頃には既に息が上がっていて、かなりしんどい… 「おはよう、ちぃ~」 「ぜぇ……ぜぇ…おはっ……」 学校についたのは5分前。なかなかのスピードで走ったと思う。 友達の苦笑いを受けながら机に手をついて息を整えていると、目の前にスッと青いハンカチが差し出された。 「大丈夫?」 「………え」 「寝坊したの?」 ハンカチを差し出してきたのはなんと有坂君だった!! ニコリと微笑む笑顔がまぶしい! これがハンカチ王子かぁ…って違う違う… 「霧島さん?」 「!!ごめんっあ、大丈夫!ははっうふっ」 相当ガン見してたみたいで有坂君に首を傾げられた。 畜生!何してもかっこいいなぁ!よ!色男!! 差し出されたハンカチを受け取って席につく。 「あ、ありがとう」 「いいよ」 うへぇ~、有坂君のハンカチだぁ~。 汗をふく振りをしながら軽く匂いをクンク……………… って変態か!!! あぁでも超イイニオイ… 香水かな?…… ふと、ハンカチの色で今朝の占いを思い出す。 ラッキーカラーは青………当たってんじゃん!! 有坂君と話せたうえにハンカチまでクンクン…違う、ハンカチまで貸してもらっちゃった! やっぱり今日いい日なのかも! それからほどなくしてSHRが始まって1日が過ぎて行く。 これは今日1日有坂君に大接近かと思ったけど、休み時間にはいつものように他の女子に囲まれ、話しかけられず、放課後… そんなうまくいかないかぁ… ハンカチを眺めていると友達の凛に肩をポンと叩かれた。 「ちぃ帰ろう?」 「あ、うん」 席を立って廊下にでる。 でもこれがあれば、返す時にまた話、できるよね… 「よし!ファイト!」 「何が?」 「有坂君とまた話すぞっていう決意」 「あぁ………いきなり何かと思った…」 「私にも春がきたぁぁ~!」 「ちぃの頭のなかはいつもポカポカの春でしょ」 「ん?温厚ってこと?」 「ボケボケってこと」 「ひど………」
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