1人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
学校についた頃には既に息が上がっていて、かなりしんどい…
「おはよう、ちぃ~」
「ぜぇ……ぜぇ…おはっ……」
学校についたのは5分前。なかなかのスピードで走ったと思う。
友達の苦笑いを受けながら机に手をついて息を整えていると、目の前にスッと青いハンカチが差し出された。
「大丈夫?」
「………え」
「寝坊したの?」
ハンカチを差し出してきたのはなんと有坂君だった!!
ニコリと微笑む笑顔がまぶしい!
これがハンカチ王子かぁ…って違う違う…
「霧島さん?」
「!!ごめんっあ、大丈夫!ははっうふっ」
相当ガン見してたみたいで有坂君に首を傾げられた。
畜生!何してもかっこいいなぁ!よ!色男!!
差し出されたハンカチを受け取って席につく。
「あ、ありがとう」
「いいよ」
うへぇ~、有坂君のハンカチだぁ~。
汗をふく振りをしながら軽く匂いをクンク………………
って変態か!!!
あぁでも超イイニオイ…
香水かな?……
ふと、ハンカチの色で今朝の占いを思い出す。
ラッキーカラーは青………当たってんじゃん!!
有坂君と話せたうえにハンカチまでクンクン…違う、ハンカチまで貸してもらっちゃった!
やっぱり今日いい日なのかも!
それからほどなくしてSHRが始まって1日が過ぎて行く。
これは今日1日有坂君に大接近かと思ったけど、休み時間にはいつものように他の女子に囲まれ、話しかけられず、放課後…
そんなうまくいかないかぁ…
ハンカチを眺めていると友達の凛に肩をポンと叩かれた。
「ちぃ帰ろう?」
「あ、うん」
席を立って廊下にでる。
でもこれがあれば、返す時にまた話、できるよね…
「よし!ファイト!」
「何が?」
「有坂君とまた話すぞっていう決意」
「あぁ………いきなり何かと思った…」
「私にも春がきたぁぁ~!」
「ちぃの頭のなかはいつもポカポカの春でしょ」
「ん?温厚ってこと?」
「ボケボケってこと」
「ひど………」
最初のコメントを投稿しよう!