4、一番の証明

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「こ…うくん…?」  返事がない。ずっと肩を震わせているだけ。 「ねぇ!あたしここにいるよ!こうくん!こう…っ」 スゥ…  考くんの肩に手をかけた。…つもりだった。でも、あたしの手はそのまま空を切っただけだった。 「…やだ…。やだ……!やだよ!こうくん!!」 「………」 「…っやだぁあー!!」  その時あたしの体は白い光に包まれた。  考くんが振り向く。  目が合う。 「み…い…?」 「こうくん…!!」  しっかりと抱き止めてくれた考くんの腕。強く抱き締めてくれた考くんの腕。 「みい…、ごめん…好きだよ、ずっと前から…ずっと…」  ーあたし馬鹿だったねー  考くんがそっとあたしの左手をとる。  ー当たり前だったんだー  ー言葉がなくてもー  左手の薬指が一層輝く。 「卒業したら結婚しよう。お金も貯めたんだ」    ーあたし達が過ごした時間ー  ーこの四年間がー ……カラン 「みいぃっ!!!!」  ー一番の証明だったー
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