*+。陰と陽。+*

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「麗ちゃんはさー、尚哉くんに告白したりしないの?」 帰り道を歩いてる時、西野が前を軽やかに歩きながら振り向いて言う。 「告白…!!? な…!無理に決まってるだろう! 私は、そこまで高望みしてはいない。」 それに、尚哉くんには好きな人が居るんだ。好きな人が居る奴を想ったって…告白したって、無駄だろう。 「でも、前より尚哉くんのこと知ってるでしょっ?」 「ま、まぁな。 前は、尚哉くんに顔も名前も知られてなかった。 でも顔見知りになって、尚哉くんがどんな声で人と話すのか、どんな笑い方をするのか、前よりは分かった気がする。」 そういえば、コイツが居なければ顔見知りになることも無かったんだろうな。 私がそう言うと、西野は満足そうに笑った。 「相手を知るたびに、きっと想いは募っていくよ。 そのうち、どんどんどんどん欲が出てくる。もっと傍に居たいって絶対に思えてくるよ。」 西野は、『告白を我慢するな。』と遠回しに言ってくれてるんだろう。 でも、なんか… 「お前に恋愛のことを説かれると、この上なく腹が立つんだが。」 「照れなくてもいいのにー。分かってるよ。麗ちゃんが僕の言葉に感動してることくらいっ。」 「お前、本当に耳鼻科行ったらどうだ。」 耳詰まってるんじゃないか? コイツに悪態を吐いてるのに、すぐにポジティブな言葉に変換する…。 相当なポジティブシンキングな奴だ。  
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