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次の日になり、西野が来るのを待った。廊下ですれ違うだろうと思ったけど、寄りによって今日はすれ違わない。
いつも会いたくない時に出てくるのにな…。
移動教室で里沙と廊下を歩いていると、すれ違い際に「おはよう。」と聞こえた。
振り向くと、尚哉くんだ。
「お、おはよ。」
ドキドキするけど、キュンと嬉しくなった。
「どーしたのよ、麗。
尚哉くんと話せるようになったの?」
里沙がワクワクとした瞳を向けて聞いてきた。
「ま、まぁな。」
照れくさくて、半笑いしながら答えた。
それから、里沙に質問攻めにあったけど、ありのままを答えて、ようやく質問攻めは終わった。
尚哉くんとすれ違ってから、だいぶ時間が経ち、放課後になったのに…アイツに会わない。
ここまで会わないなんて珍しいな…。
「そんなソワソワして、どうしたの?いつも煙たがってた誰かを待ってるとか?」
「う゛っ。そんなわけないだろ。トイレに行きたかったんだ。」
里沙の言葉が図星で、言い訳をしながら教室を出た。
里沙は、そんな私を見てクスクスと笑う。…里沙め。
教室を出ると、D組の前の廊下で、明るい色を見かけた。
金髪…間違いなくアイツだ。
話しかけようと思って、そろりそろりとアイツの背後に近寄る。
でも………。
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