*+。陰と陽。+*

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でも…、西野は誰かと話してるみたいだった。 西野の顔をこっそり見ると、すごく楽しそうで…幸せそうな笑顔。 声も…私や他の奴と話す時より、楽しそうで嬉しそうな明るい声が聞こえた。 ホントに…子犬みたいな奴。 いつも楽しそうにしている西野が、いつも以上に元気だ。 そんなに嬉しそうに誰と話しているのだろうか。 次第に近付いていくと、相手の顔が見える。 あれ…、この子は…。 …確か、モテるで有名な姉の双子の妹だよな…。 二階堂さんだっけ。 二階堂さんも、楽しそうに西野に笑いかけていた。 二階堂さんを見て、西野をまた見た。 ああ、そうか…。 西野を見て、悟った。 コイツは… この子に… 恋をしてるんだな。 分かりやすい奴…。 何故か西野の背中を見て、ほくそ笑んでしまう。 その場から、ユーターンをして、西野の後ろから立ち去った。 アイツにも、好きな奴がいたんだ…。 あの西野の笑顔は本当に幸せそうで、二階堂さんも楽しそうで…。 2人は付き合っているんだろうか…? あれ?なら、なんで? なんで西野は、好きな奴がいないって言ったんだ…? 照れ隠しか?でも、笑い方が寂しそうだったような…。 って、あんな奴の心配はいいんだっ。別に大したことない理由だろうしな。 …それより、なんで… 「……?」 アイツの幸せそうな笑顔を見て、ピシッと心が軋んだのかが一番分からない。  
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