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次の日になり、アイツに会った。
いつもと変わらない笑顔で…。
私に近付いてきた。
「おはよー、麗ちゃんっ。」
放課後、いつも通り図書室で本を読んでいる私の前に座った。
「今は“おはよ”じゃなくて、“こんにちは”だ。」
放課後なんだから、“おはよ”はおかしすぎる。
「もうっ、細かいよっ。」
西野はキャッキャッと笑う。
「当たり前のことを言ったまでだ。」
「あ、尚哉くんとは、どうなったの?」
「しぃっ!!名前を出すな。周りに聞かれたら恥ずかしいだろ。」
周りを見渡しながら言うが、みんな読書に夢中で私達の話しは全然聞こえてなかったみたいだ。
「ごめんごめん。
で、Nくんとはどうなったの?」
「ふふふ…聞いて驚け。なんと、一昨日の帰りに声をかけられたんだ。まあ、顔見知りにはなったかな…。」
「えぇ!!?良かったねえ!!麗ちゃん、すごいよっ!」
西野は自分のことのように喜び、両手で私の手を握り、目を輝かせていた。
目の前には、眩しいほどの笑顔。
トクンッと変な感じがして、思わず握られていた手を抜いた。
「あ、あぁ、ありがとう…。で、お、お前はどうなったんだ?」
西野から視線をずらして、聞いた。
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