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「え?僕?何が?」
西野を再び見ると、キョトンとした顔をしている。
とぼけたな…。
「…二階堂さん(妹)とだ。付き合ってるのか?」
「ふえ!!?な、なんで!?」
西野は、ボンッと顔を赤くした。綺麗な色の白い肌だから、すぐに朱に染まるのが分かった。
思った以上の西野の反応に、少し驚いてしまう。
いつもは余裕な感じで、人の恋愛事情に口を挟み、余計なことをする奴が…こんなにも分かりやすく顔に出るのだから。
「お前と二階堂さんが廊下で話してる姿を偶然見た。二階堂さんもお前も、とても楽しそうにしてたな。
付き合っているのか?」
西野をジーッと見ながら聞くと、西野はフッと目を伏せた。
さっきまで大きく開いていた瞳は、切なそうだ。
「恋人同士に見えてるんだ…。なんか嬉しいな…。」
「…違うのか?」
西野は悲しそうに微笑んでいる。
コイツもこんな顔…するんだ。
「残念ながら違うんだ。蓮華は、僕なんか全く眼中に無いよ。」
“蓮華”って言うんだ、あの子。
…失礼だけど、二階堂さんは…可愛い系や綺麗系じゃない。
そんな子が、褒めたくないけど可愛くて周りから美青年って呼ばれているコイツを…好きにならないというのか…?
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