*+。陰と陽。+*

17/22
1876人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
目!目が合った!! 尚哉くんは、そのままニッコリと爽やかに笑う。 うわわっ!! 知り合いになると、こうも簡単に笑顔を向けてくれるのか! 顔覚えてもらえて良かったぁ。 「森澤さん、今帰り?」 「う、うん! 尚哉くんは?」 「俺はこれから部活ー。担任に呼び出されてさー、遅れちゃったんだ。」 尚哉くんは困ったように笑う。 「そっか、だからジャージなんだね。」 いつ話しても緊張するけど、結構私尚哉くんと話すことに慣れてきたのか…! 最初は話すことさえもドギマギして、心臓破裂しそうだったが、今は目を見て話せるくらいに上達したし! 「そう。部室に行って着替えるの面倒だから、今日はそのまま着替えてきた。」 ジャージ姿見れるなんて、運がいいな私! 格好いい…っ。 「そ、そうなんだ!」 特にどう反応していいのか分からず、無難な言葉を口から出した。 もっと話したい! もっと色々な尚哉くんを見たい! 尚哉くんに会うたびに気持ちが増してくる。 部活の邪魔をしちゃいけないのは分かってるが、後少しだけ話しを…。 「な、尚哉くん…!」 目を輝かせながら口を開いた。 尚哉くんの名前を呼んだ時、後ろからまた別の奴の声が聞こえる。 「麗ちゃん、僕先に行ってるね。」 後ろを振り返ると、西野がいつもの可愛い微笑みをこちらに向けていた。 しまった…。 ……西野のこと忘れてた。  
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!