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「あ、ああ。悪い。
今、行く。」
「じゃあ、外で待ってるね。」
西野を待たすのも申し訳ないから、尚哉くんと話すのは、またの機会にしよう。
うぅ…、最後に尚哉くんを一目拝んでから…。
西野から尚哉くんに視線を戻し、綺麗な顔立ちを目に焼き付けた。
目に焼き付けてる最中、尚哉くんとフと目が合う。
ドキッて、また心臓が跳ねて…すぐに目を逸らした。
最近心臓が跳ねることが多いが、一体これは何の病気なんだ。
「彼と仲良いんだね。」
尚哉くん、綺麗な顔だなぁ。
「森澤さん?」
性格だって優しいし。
「聞こえてる?大丈夫?」
みんなの人気者みたいだし、モテるし。
え、ちょ、尚哉くん。
なんでそんなに顔を近付けるんだ…!
ヤメろ!また心臓が…!
「森澤さん!!」
「は、はいぃ!!」
急に大きな声が耳に入ってきて、私も負けず劣らず大きな声で返事をした。
「な、ななな、何でしょうか…?」
「西野くんと、仲良いんだな。」
「へっ!に、西野と?
そんな…!全然ですよ。西野くんとは、よく図書館で会うから…、今日もたまたま会っただけで…。」
「ふ~ん、そっか。
じゃ、俺そろそろ部活行くから。
またなぁ。」
「う、うんっ!
じゃ、じゃあ。」
尚哉くんは、靴を取り替え、さっさと外に出て行ってしまった。
笑った顔は引きつって無かっただろうか。
歯に海苔とか挟まってないよな!?
変に思われてないよな!?
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