*+。陰と陽。+*

19/22
1876人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
尚哉くんに好印象を持たれただろうか。 イヤな印象は無いよな、きっと。 うん、人生プラス思考で生きていかないといけないな。 あ、西野を待たせてるんだった…! 完璧に尚哉くんに98パーセント思考を占領されてた! 慌てて外に出ると、西野はいなかった。 あいつ、待ってるとか言ったくせに帰ったのか? 僕はご主人様に忠誠を誓います!みたいな忠犬的な奴だと思ったのに、意外と浅はかな奴だ。 少しくらい待ってくれたって…。 ん? いや、別に待ってなくても良かったんだ。 私が一緒に帰りたいわけじゃないし、あいつが勝手に一緒に帰るって言っただけだし…。 「れーいちゃんんっ!!」 「ぎゃあああああぁぁ!!!!!」 いきなり後ろから肩を叩かれ、振り向くと奴がいた。 「おおぉ、おま、お前か!おど、おどど、驚かすな…!」 「ごめんねっ。ビックリした?」 西野の満面の笑みに多少イラッとした。 「びび、ビビビックリするわ、わけがないだろう…!」 「うん、ごめん。 かなりビックリしちゃったみたいだね。」 西野はテヘッと笑う。 やっちゃった!みたいな感じの表情。 「……。 だから、ビックリしてないと言っているだろうが。」 あー、良かった。 ようやくどもらなくなった。 コイツが驚かすから、動揺しすぎた。 なんか、一本取られたみたいで腹が立つが……。 帰ってないことが分かって、ホッとしてしまった自分の方にもっと腹が立った。 自分にも西野にも両方腹が立つー!!  
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!