*+。陰と陽。+*

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「お前って…。」 悩みとか無さそうでいいな、と言おうとしたが、途中で噤んだ。 いいや、コイツにも悩みはあるんだった。二階堂さんのこととか…きっと他にも顔には出さないけど、沢山悩みを抱えているはずだ。 「麗ちゃん? どうしたの?」 私が言葉を止めたことに疑問を抱いたのか、西野はキョトンとした表情で首を傾げ、こちらを見ている。 「な、何でもない!」 「…? おかしな麗ちゃん。 いつもおかしいけど。」 笑って言う西野にカチーン。 はい、イラッときましたー! 「大体お前が…っ! …西野?」 怒ろうと思ったが、今度は私がキョトンとする番だった。 西野は何かに怯えたようにブルブルと震えている。 「お、おい…。大丈夫か?」 「…麗ちゃん。僕、具合悪くなっちゃったから、別の道を通って帰るね。 ごめんね。」 本当に具合悪そうだな。 1人で帰って大丈夫なのか…? 「あ、西野…。」 「ばいばい…また、明日。」 西野は微かに笑って、でも具合悪そうで…曖昧な表情をして走って行ってしまった。 「何なんだ…?」 かなり辛そうに見えたが……。 腹痛か?頭痛?寒気か? まあ、いいか。明日になったら治るよな。 西野が帰った方角から目を逸らし、前を向いて帰り道を歩き始めると、隣りのクラスの霧山 侑弥と霧山 彰弥が居た。 ……西野と同じクラスだったよな。 やっぱり顔がそっくり過ぎて、じっくり見ないと見分けが難しいな。 と思いながら、歩を進めた。  
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