*+。陰と陽。+*

22/22
1876人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「おい、これって何虫か分かるか?」 「知りません。気になるなら自分で調べなさい。」 横を通り過ぎる時、霧山兄弟が何やら話しているのが聞こえる。 虫捕まえて遊んでるのか?一体何歳なんだ…。 そういえば、この人達も二階堂さんと同じクラスなんだよな。 仲良いのかな…? 「今度蓮華驚かすのに、こんな虫どうだ?」 「どういうつもりで虫探ししてるんですか。」 「蓮華驚かす為に決まってんだろ。 アイツの反応面白いんだよなー。 この前なんか、靴の中に虫隠したら泣くほど喜んでたし。」 「…いい加減にしないと、イジメと見なされてしまいますよ。」 む?靴の中に虫を隠しただと? 私がそんなことされたら、泣くだけじゃすまない…! 絶対に吐き気を催すな…。 少し寒気がする…。 想像したくないのに、想像してしまった。 うぅ、この人達の話しは聞かないで早く帰ろ。 歩くスピードを速め、スタスタと進んでいると、イチャついてるカップル発見。 「義貴いぃ、またあそこ行こーよぉ。楽しかったぁー。」 「今日はそういう気分じゃねーから。」 まあ、イチャついてるのは女の方だけだけど。 「えぇ!イヤーだーぁ。何のために学校まで迎えに行ったと思ってんのぉ。」 「うるせぇな、勝手に来たんだろ。」 腕を絡ませる女の人。 それを鬱陶しそうにあしらう男の人。 なんだか温度差激しいなぁ。 関わらないようにしないと…。 その2人の会話を背に、私は家まで早歩きで帰った。  
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!