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「おい、これって何虫か分かるか?」
「知りません。気になるなら自分で調べなさい。」
横を通り過ぎる時、霧山兄弟が何やら話しているのが聞こえる。
虫捕まえて遊んでるのか?一体何歳なんだ…。
そういえば、この人達も二階堂さんと同じクラスなんだよな。
仲良いのかな…?
「今度蓮華驚かすのに、こんな虫どうだ?」
「どういうつもりで虫探ししてるんですか。」
「蓮華驚かす為に決まってんだろ。
アイツの反応面白いんだよなー。
この前なんか、靴の中に虫隠したら泣くほど喜んでたし。」
「…いい加減にしないと、イジメと見なされてしまいますよ。」
む?靴の中に虫を隠しただと?
私がそんなことされたら、泣くだけじゃすまない…!
絶対に吐き気を催すな…。
少し寒気がする…。
想像したくないのに、想像してしまった。
うぅ、この人達の話しは聞かないで早く帰ろ。
歩くスピードを速め、スタスタと進んでいると、イチャついてるカップル発見。
「義貴いぃ、またあそこ行こーよぉ。楽しかったぁー。」
「今日はそういう気分じゃねーから。」
まあ、イチャついてるのは女の方だけだけど。
「えぇ!イヤーだーぁ。何のために学校まで迎えに行ったと思ってんのぉ。」
「うるせぇな、勝手に来たんだろ。」
腕を絡ませる女の人。
それを鬱陶しそうにあしらう男の人。
なんだか温度差激しいなぁ。
関わらないようにしないと…。
その2人の会話を背に、私は家まで早歩きで帰った。
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