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次の日の放課後、アイツは今日も居た。
でも、1人じゃなかった。
二階堂さんもいる。
図書室の中に入った私は、思わず本棚の陰に隠れた。
だ、だって、そのままスーッと入っていって、サッと座るのもアレだし…。
このまま図書室を出て行けばいい、と普通なら思うが…何だかここで出て行ったら負けた気がして出られない。
西野と二階堂さんが図書室に居るから、という理由で図書室を出たくない。
絶対に、絶対に出たくないっ!
変なところで負けず嫌いの部分が出てきた。
こっからじゃ、声が聞こえないな…。
でも何やら楽しそうな話しをしてるな。
両手取り合ってるし、他人から見たら女の子同士に見えてもおかしくないかも…。
うわぁ、いつも以上にアイツは笑顔だし…。
にやけすぎだろ!男なんだから、もっとシャキッとしろよ!シャキッと!
だらしないなぁ、ニコニコと。
「何やってるの?」
「うひゃあぁ!」
後ろから肩を叩かれ、一気に悲鳴が上がる。
「うひゃあぁって。」
「な、尚哉くん!?
び、びび、ビックリした。」
後ろを振り向くと、私の悲鳴にクスッと笑っている尚哉くんが居た。
いきなり肩を叩かれたら誰だって、こんな悲鳴の1つや2つ出るはずだ。
「な、何笑ってるんだ!」
「え?」
どうやらポカンとしている尚哉くん。
はっ!しまった!!
笑われるのが恥ずかしくて、つい普段話すような口調で言ってしまった。
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