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この前は、迷惑になるとか何とか言っていたくせに…。急にどういう…。
というか、アイツももっと場所と時間をわきまえて、行動に移すとか出来ないのか…?
急すぎて、見てるこっちもビックリしたし……心臓が変に痛くなった。
西野のくせに、私を驚かすなんて100万年早い!
「…気になるの?」
「え!?」
尚哉くんの言葉にハッとし、すぐに尚哉くんの方を向いた。
「気になるんでしょ?」
「き、気にならないよ!別に、私は…。」
尚哉くんに聞かれ、慌てながら否定すると、尚哉くんは口を手のひらで覆って噴き出した。
「ぶふっ!」
「…!」
「ごめん、ウソウソ。後でメールする。じゃあな。」
尚哉くんは笑って、颯爽と私の前から立ち去った。
「………気にならなくはないかもしれないな。」
自分の弟みたいで、なんだか目が離せない。
好きとか、男として気になるとか、そんなものではなくて、ただ…目が離せないだけだ。
特に深い意味などではない。
何だろうか。
イライラする。
モヤモヤもする。
よく分からないな。
何に対して、私はイラついているんだろうか。
鬱陶しい西野が、今日は私に気づかなかった。
いつも嫌なくらいに絡んできて、話しかけてきて、うるさい奴が…今日は私のことなんて全く眼中に入ってなかった。
あんなに近くにいたのに、気付かないなんてバカな奴。
胸の中に残る嫌なモヤモヤを消そうと、私はひたすらお気に入りの本を読みふけった。
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