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――麗side――
「ムカムカした理由が分かったぞっ!!」
「うるさい、お姉ちゃん。」
リビングの中心で大きな声を出した私に、妹の美玲(みれい)が叱咤した。
「わ、悪い。
だが、聞いてくれ!
嬉しいことがあってな!」
嬉々として、美玲に話しかけた私に、美玲はソファに座りながら嫌そうな顔をする。
「いい加減にしてよ。」
「へ?」
内容を話す前から、いい加減にしてよって…私が美玲に何かしたか?
「その男口調よ!
お姉ちゃん、それでも女の子でしょ?そんな可愛くない喋り方だったら、男の子にモテないよ。」
美玲は、こう見えて(どう見えて)中学生だ。
だが、性格は私より女の子らしく趣味はお裁縫とか料理とか…。とりあえず、私が出来ないことを美玲は簡単にやってのける。
「別にモテたくなどは無い。」
ツーンとして言い返すと、「ふーん、そうなんだ。」と素っ気なく言い返された。
最近、色気づいてるな…。まさか彼氏が出来たんじゃ…?
いやいや、そんなまさか…、私の妹だぞ?それは無い。断じてない。
「なによ、ジロジロ見ないで。」
「悪い!
いや、あの…あっ!そうそう!私のムカムカの原因が分かった!
歯に挟まったポップコーンのカスのせいだったんだ!
なかなか取れなくて、どおりでモヤモヤイライラすると思った。
奥の歯に挟まっていたから、なかなか取ろうに取れなかったんだ。
でも、これを見ろ!
ほら!」
さっき取れたばかりのとれたてポップコーンのカスを美玲に見せると、心から嫌そうな顔をしていた。
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