*+。あの子とお前。+*

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――次の日。 今日、西野を見るのが何か分からんが胸くそ悪いなぁ…とか思っていたら、今日は土曜日だった。 土曜日だということは……2日間アイツを見なくていいということ。 まあ、別に自分から見るつもりもないがな。 「…おねーちゃん!」 「な、なんだ!?」 朝食を食べ終わった後、ベランダの近くで外を見ていると、急に後ろから美玲(みれい)に声をかけられた。 「み、美玲か…。びっくりした…」 「携帯、ずっとブーブー鳴ってるよ。誰かからメール来てんじゃない?」 妹は、怠そうに私に携帯を渡し、スタスタとテレビの前に行ってしまった。 「…メール?」 携帯のディスプレイを見ると、確かにメールが来ている。 しかも2件。 1件目を開いた瞬間、驚きのあまり何故か携帯を投げ捨てたい衝動に駆られた。 「な、尚哉くんからだあぁ!」 嬉しくて叫びたくなってしまう。既に叫んではいるが。 「尚哉くん…?」 美玲がキリッとこちらを見て反応する。 や、やばい! 男にうつつを抜かすなんて、美玲には知られたくない。 尊敬されているのに失望などされてたまるか! 「…あ、あははっ。間違えた!里沙からだ」 「…ふーん」 「花火大会の誘いだ!これは行かないとな! まったく、里沙は寂しがり屋だからなぁ。私と行きたくて堪らないらしい。可愛い奴だな、ホント。あははは」 「別にそこまで聞きたくないんだけど…」 美玲は暫く私を怪しんで見ていたが、諦めたのかテレビに視線を戻した。 あー…良かった。 姉の権限を損失するところだった。 ホッとして、またメールに目を通した。 【おはよ!昨日中にメール出来たら良かったんだけど、寝ちゃってさ。 こっちの漫画とこっちの漫画、どっち読みたい?】 うああぁ!! 何か付き合ってるみたいだ! どうしよう!興奮するぞ、これ!  
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