*+。あの子とお前。+*

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へ、返事をしなくては…! どっちの漫画が好み…だと! もう尚哉くんが貸してくれる本だったら、なんだって見てしまいたい。 送られてきた写メには、 バスケ部の青春っぽい絵の単行本と 野球部の青春っぽい絵の単行本。 や、野球漫画見てみたい! 汗、涙、友情、愛情、憎悪、血…。 すべて備わっているであろう単行本の表紙を見て、即決した。 よし、野球漫画にしよう! そして待たすのは申し訳ないから、即座に返事をしよう。 【おはようございます。メールありがとう!来ないと思ってたから、とっても嬉しいなっ!どっちの漫画にしようか悩んじゃったけどぉ…………………………………】 って、気持ち悪いいぃ!!! 私じゃない!こんな気味悪い文、私じゃない!! 必死に【クリア】と書いてあるボタンを連打した。 私の必死の連打により、綺麗さっぱり今打った文は消えた。 こんなにボタンを連打したのは久しぶりだ。 そうだ、久しぶりに髭の中年オジサンが主人公のゲームをやろうかな! 最近まったくやってなかったから、久しぶりにやったら楽しいぞー。 ……じゃなくて!! メールを打たねば…!! 悶々とした気持ちで携帯を構えた。 ……ダメだ。さっきの文は、あまりにも猫を被りすぎているし……そういう媚びは売りたくない。 ダメだ。頭を冷静にさせよう。 そうだ! もう一通のメールを先に見よう! もう一通のメールを見ると、友達の里沙からだった。 【おはよー! 今日、9時から遊ぼー!あんたの家、迎えに行くからー】 いつにもまして急だな、里沙は。 9時って…今何時だ? 携帯のディスプレイの時計を見ると……って、今8時40分!? メールきたの何時!? メールきたのが8時20分!!? くっ、里沙め。 いくらなんでも急すぎるだろうが!!  
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