第一章 ~準備~

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~Cultural Festival~ 「はぁ…。」 目の前の膨大な量の書類を目にしておもわず溜め息を吐く。 1か月後に控えている文化祭。 彼女はその実行委員長である金澤紗耶香,18歳。 そして机上の紙束は,その時に行われる催し物を決める為に集ったアンケート用紙。 その中身といえば。 定番である喫茶店やお化け屋敷。 出店に焼きそばやクレープといったもの。 なかには明らかに無理な内容もあった。 「は?有名なアーティストを呼んで屋外ライブ?…うちの学校にそんな金あるわけないでしょ。」 ハァ,と呆れて頭を抱える。 我が校は公立で,しかも最近部費も減らされるようになっていた。 そんな中で校長に頼んでも,断られるのは火を見るより明らか。 只たんにやりたい,見たいだけでは出来ない事もあるのだ。 「却下,と。」 無理なものには赤いペンで大きく「×」を付け,実行出来るものには同じく赤ペンで「〇」を付ける。 そんな単純な事務仕事を淡々と一人でこなしていた。 ガラッ。 「あれ?紗耶香先輩一人ですか?」 .
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