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「ミク…今日の訓練は、お前にとって今までで最も大きな、そして今までで最も危険なものだ。」
『…うん。』
あたしは、息を飲んだ。
おじちゃんに連れて来られたとこは、広い河川敷。
この暑い季節、訓練の標的はここにたくさん集まってくるんだとか。
泳いだり、魚釣りしたり、散歩だったり…ね。
そう、あたしの相手は、あの人間です。
お父さんの命を奪った、あの人間です。
人間は、とっても恐ろしい生き物なんだって。
はっきり言って、最も危険な天敵の一種なの。
もちろん、すごく怖いわ。
でもあたし達蚋はみな、この試練を乗り越えてきた。
蚋なら、誰もが通るであろう過酷な試練らしい。
その試練を、あたしが乗り越えられるのかな…。
うぅ、やる前から弱気になってるぅ…!
だめよ、あたし!
頑張らなくちゃ!!
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