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「聞いてくれ、フィル。キミはクレスタのことを本当に愛してた。あいつも、キミのことを本当に愛してた。俺だって、キミをあいつに紹介したことは今でも後悔してない!」
「イージス…ありがとう。私は、あなたに本当に感謝してるの。あなたは昔から本当に優しい人よ。自分のことより、私やクレスタ…そしてミクのことをとても大事にしてくれた。でもねイージス、あなたはあなたの人生があるのよ。もっと自分を大切にして。」
「フィル…キミこそ自分を大切にしなければならない。厳しいこと言うかもしれないが、これは現実なんだ。」
「そんなこと言わないで!」
「!!」
おじちゃんが少しビクッとした。
あたしもビクッとした。
お母さん…泣いてる。
「信じられないの…。今でも信じられないの。必ず帰ってくるって約束して…あの人は約束を破ったことはなかった!」
お母さん、涙声で一生懸命話してる。
おじちゃんの手が震えてる。
あたしも…目のところが熱い…。
「分かってるわ。あの人は死んだ…。いつも自分にそう言い聞かせてる。わたしがしっかりしなくちゃ、ミクやあなたにまで辛い思いをさせてしまう…。」
お母さん…。
いけない…!
涙が…!
ずっと、我慢してたのにぃ…!
「だけど、忘れられないの。あの人の顔、声、体、そのすべてで私を愛してくれた日々を…。もう二度と戻らないあの幸せだった日々を…。
…忘れられないの。」
お母さんは泣き崩れてる。
あたしも…
涙が止まらない…!
お父さん…。
「…フィル。」
ずっと黙っていたおじちゃんが口を開いた。
おじちゃんも声が震えてる。
「俺は…キミを放っておけないんだ。」
「もう…いいの。」
「ちっともよくねぇよ!」
「同情はやめてっ!!」
言い合いがクライマックスに突入したかと思った瞬間…!
あたしは涙でぐしゃぐしゃの目を大きく見開いた。
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