突然の孤独

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本当は迷惑かけたくなかった。 だけど、ぶちまけたかった。 誰にも相談できないこの胸の苦しみを紫堂さんに打ち明けたかった。 彼なら受け止めてくれる。優しく微笑んで温かく包み込んでくれる。 そして実際そうだった。 『非力でごめんね。僕がもっとしっかりしていれば』 『そ、そんな事言わないで。私大丈夫だから。辛いけど紫堂さんがいてくれるだけでなんとか頑張れるんだから』 『そう、なんだ?』 『うん』 『そう、それは良かった。何も出来ないけどそれでも君の役にたっているんだね』 何もしなくても力になってくれる。私を安心させてくれる。 唯一貴方は私の味方。 だから悲しくもないし辛くもない。 「あっはははは、きったな~い。こいつこぼした弁当の中身元に戻してやがる」 「戻したやつを食べるんですか~?」 「つかそれを紫堂さんに持っていくなよ」 「そうそう目が穢れる。つか食べさせんなよ。腹壊れる」 ゲラゲラと汚い女子の笑い声が教室中に響く。 何も知らない奴も笑っている。 かつて友達だった者も笑っている。 泣きたい。泣きたいけどないたら相手の思うつぼ。だから泣くわけにはいかない。 教室では孤独。 だけど完全に孤独ではない。 教室を出れば彼に会える。 私の運命の人。 運命の王子様。 彼だけいれば私はこの辛さが耐えられる。 学校へ通える。 だから今日も…… 「紫堂さん!」 「?あり」 彼に助けを求める…… .
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