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「ねぇ、君のその手にもっている包み…」
「え?」
「それ、彼女のだよね。なんで君が持っているの?」
「えっ、ちが…違いますよ。これは私のです。私が紫堂さんにプレゼントしようと……」
「違うっ!それ私の!」
「うっせーよ!」
「そうだよ。空気読めブスッ」
「………ふふ、汚いね」
「あ…」
暴言を吐いてしまった事に女子は顔を青ざめる。
「それ、ありに返しなよ」
「えっ…あの、ありって」
「聞こえなかったのかい?彼女に返すんだ」
その低い声音にクラスの皆がびくりと震える。勿論私もだ。
紫堂さんが怒るところ…初めてみた。
私の手から包みを奪った彼女は渋々といった感じで私に返してくれた。
微妙に中が砕けているように感じた。
無事手元に戻ったのを確認すると紫堂さんは突然教室に入ってきて私の手を掴んだのだった…
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