運命の出会い!?

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「何!貴方」 「何ってのは失礼だね。それにそこの彼女にとっても貴方は何って存在じゃないのかな」 「私は彼女の髪が気になって声を掛けただけよ」 「余計なお世話だね」 「な!」 「君、気付いてないのかい?彼女、凄く迷惑そうな顔をしているよ」 背後の人が私の肩からぬっと顔を出して見つめてくる。 間近にみたせいで思わず胸がドキッと高鳴った。 凄く綺麗な男性だった。声は高すぎず低すぎず中間くらいの美声。 「商売ってさ、言葉を上手く使って引き込むのが良いけど、相手の事も考えないと。君がしているのは客をいかに沢山引き込むかで必死と見える」 「っ…」 「相手も興味を示した段階でそこの会社に連れていくのは良いよ。例えそれが詐欺だとしても、のこのこ騙されてついてった奴が悪い。だけど嫌々で断るにも断れずに無理矢理つれていこうとする貴方のやり方は好きじゃないね。そんなのエゴだよ。自慰って言ったらいいかな。貴方は自分が気持ち良ければ相手がどうだろうとしったこっちゃないのさ」 「……」 図星なのか何も言えないのか女性は黙ったままで… 「て事だから、その手を話しなよ」 「ちっ」 気品の顔が崩れた女は舌打ちするとそそくさとこの場を離れた。 残ったのは私と助けてくれた美形な男性。あとは野次馬の視線だけだった。
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