運命の出会い!?

4/4
前へ
/31ページ
次へ
「大丈夫かい?」 「あ…ありが…とう」 「礼を言われるような事はしていないよ。それよりも、君もただ黙ったままなのはいけない。勇気が出なくて何も言えない気持ちもわかるけど、一歩を踏み出さなきゃ、何も変わらないよ」 「仰る通り…」 だけど、声が出ないのだ。頭でわかっていても、声が出ない。 「ここであったのも何かの縁だ。君、名前は?」 「え」 「あぁ、まず相手の名前をきくには自分から名乗らないとね。僕は紫堂明日香だ」 「女っぽい名前だね」 「ん?あぁ…ま、よく言われるよ」 そこで何故笑い出すのか疑問だったが、深く考えずに私も名前を名乗った。 あまり言いたくないが… 「私は…先原…です」 「何?聞こえないよ」 「先原……あり…です」 「は?」 「だから“あり”です!」 「………」 あぁ…言いたくなかった。 凄く変な顔してる。 「それはまた斬新な…、でもいい名前だね」 「お世辞でも有難う」 「ううん、確かに変わった名前だけど、僕君の名前好きだよ」 「……っあ」 思わず俯いてしまう。真っ直ぐな目で見つめられて、私はなんだか変な気持ちになった。 初めて会った人に何故こんなにもドキドキしているのだろう。もしかして私、この人に一目惚れしたのだろうか…? そんな事ないとわかっているのにその後彼からお茶を誘われた時、私はやはり確信した。 やっぱり私は彼に一目惚れしたのだと…… ただ助けてくれただけなのに……… 私はこの青年、紫堂明日香に恋をしたのだった… .
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加