ー第三章ー

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克幸は目的を再度地下研究所とするが、やはりそれが何処にあるのかわからない。 仕方無く克幸は適当に辺りをキョロキョロ見回しながら歩いていると、いつの間にか動物園と思われる所に来ていた。 「………」 門を潜ると同時に、あちこちからから異様な空気と夥しい奇声に気付き、克幸は不意に一瞬立ち止まる。 そして次の瞬間、 「…!!」 克幸が手前を通り過ぎた時、突然鉄格子の柵が叩き壊され、中から牙の生えた牛のような姿をした異形の獣が飛び掛かってきた。 克幸は咄嗟に軽く跳躍してその牛の突進をかわすが、牛は向かった先にあった壁に激突し、その建物は一瞬にして崩れ落ちる。 「なんて威力だ…」 克幸はその光景に目を疑いながらもスッと着地する。 すると、 「モオオオォォォ!!」 「……!」 背後から、また別のもう一頭の牛が突っ込んで来ていた。 克幸は無理な体制からそれをかわそうとするが、咄嗟の事にかわしきれず、左肩に牛の鋭い角が掠る。 克幸がそんな二頭の牛に目を取られていると、 「「モオオオォォォ!!」」 「…!!!」 その二頭の牛が出てきたオリと、その隣と向かいの鉄格子もぶち破り、それぞれ中から同じ姿をした大量の牛が一斉に突進してきた。
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