ー第二章ー

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克幸は鼠の口をかわして素早く体制を立て直し、同時に左腕を大きく縦に振るい、鼠の口を引き裂いた。 「ブオォオオォォォォ!」 痛みに悶えて前肢でそこを押さえる鼠の隙をつき、克幸はすかさず鼠の側面に向かう。 そしてそこから、 「…!!」 先程の鼠を真似、勢いよく鼠の側面に肩から体当たりをした。 その反動で鼠は半回転して仰向けになり、しかも肢に力が入らず上手く起き上がれない。 そして克幸はその仰向けになった鼠の腹の上に飛び乗り、 「………」 無言のまま不適に笑みを浮かべて指を鳴らし、また勢いをつけて、鋭い爪を大きく開いた鼠の腹の傷口に突き刺した。 「ブオォオオォォォォォ!!」 それには鼠も激痛でジタバタもがくが克幸はそれを堪え、鼠の体内で何かを強く握り潰し、同時に鼠はピタッと動きが止まり、脈も止まる。 それを見越し、克幸が突き刺した腕にグッと力を込めた瞬間、 「……!」 鼠の身体は、まるで風船のように一瞬膨張し、次の瞬間派手に破裂した。 「…………」 足場が無くなった事により克幸は一瞬落下するがすぐに着地し、直後にまた全身に光が包み込み、元の人間の姿に戻る。 「そう言や、あの研究所は地下にあったな… …地下を当たってみるか…」 克幸は血で汚れた頬を手の甲で拭うと、また何処かへと歩き始めた。
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