ー第二章ー

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するとそんな時、 「お前はいいよな…」 「…!」 突然背後の方から、若い男の掠れたような低い声が聞こえた。 克幸はその声に反応し、ゆっくり振り返るとそこには、黒革のスーツに身を包んだ金髪の若い男が、恨めしげな目で克幸を冷たく睨んでいた。 「誰だ…あんた…?」 「…! …俺ごときの事は覚えてねぇってか、天狗様かよ…」 するとその男は、克幸のその発言に気を悪くし、腰のベルトに鎖で繋いでいた日本刀の柄に手を置いた。 「…!!ちょっと待て!俺はそういう意味で言ったんじゃ…」 「…はっ、こんな奴相手に必要無ぇか…」 しかし男はフッと柄から手を放し、それには克幸も若干安心して気を緩めるが、 「…!!」 突然男は目にも止まらぬ速さで一気に克幸の目前にまで踏み込み、素早く克幸の腹部に膝蹴り入れ、そのせいで前屈みになった克幸の顔面に男は一回転して再度回し蹴りを叩き込み、克幸はその場から2m程飛ばされた所で倒れ込む。 「…俺ぁ…No,0021・爪牙。二度と忘れんじゃねぇ、俺の名を…」 そう言いながら、爪牙と名乗ったその男は克幸を見下し、また克幸に向かって走り寄り、軽く跳躍して飛び蹴りを叩き込む。 「…お前らの"踏み台"にされた男だ…」 「…!」
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