ー第三章ー

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克幸はそれを聞き終えると、何処かへと向かって歩き出した。 「克幸、何処行く気?」 「ここを出る…」 「…!」 克幸は今、地下研究所よりも先ずはエリアXの外を目指し、国の偉い者に真意を尋ねようとしている。 「止めときなさい。規則を破って外に出ようとすれば、法に従って銃殺されるわよ?」 「……!」 克幸はそれを聞いた途端、ピタッと足が止まった。 「まぁでも、あと六日間生き延びれば外に出られるんだから、それまで…」 「わかった、生き延びてやる…」 克幸は強くそう決意すると、涼香と別れを告げ、再び歩き出した。 その時、 「…!!」 またしても克幸の脳裏に記憶に無い映像が流れ始める。 「悪いが、私の名は秘密だ。 故に、人からは『Dr,ゲド』と呼ばれている。 人外的な研究をしている私にはピッタリのアダ名だろ?」 始めから度々現れる白衣を着た例の男が、そう自分に名乗る。 そして克幸は我に帰る。 「成る程、わかった…。 俺をこんな事に巻き込みやがったそのDr,ゲドとやらに、復讐してやる」 克幸はそう強く思いながら、歯を強く噛み締めた。 そんな克幸の背中を、涼香は心配そうに見送り、自分もフッと姿を消す。
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