ー第三章ー

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「だが、んなとこ行ったって今じゃ何も無えぞ?」 「いや、それでもいいんだ。そこへ案内してくれ!」 「まぁ、オレぁ別に構わねえが…」 克幸のその強い目に圧され、次朗は意味もわからずも首を縦に振り、早速そこへ向かって歩を進め始めた。 しかし、 「…!」 「…待て、来るぞ」 やはりここは元動物園という事もあり、二人が何処かのオリの前を通ると、その度に様々な種類のここの住人と化した動物や獣が襲い掛かってくる。 そして今二人は、最も厄介なライオンのオリの前を通り掛かり、やはりそこから全長5mを越える巨大な獅子が群を率いて飛び掛かってきた。 二人はすかさずそれに迎え撃とうと構えるが、 「くくく…。退け、カス共…」 「「…!!」」 獅子の群の後ろの方の数体が、突然派手に吹き飛び、克幸の足元にその身の一部が転がる。 「くくく…、ここはこの俺様の領域(テリトリー)だ、てめえら無断で土足で踏み込んだ以上、喰らい殺す。 紅血(kurenai blood)の発令下、文句は言えねえよな?」 そして、獅子の群を腕を振って掻き分けながら、ゆっくりと一人の男が歩み寄ってきた。 「俺様の名は、No,0039・滝弥」 その滝弥(タキヤ)と名乗った男は、所々破れた黒いロングコートを羽織っており、長い黒髪を掻き上げながら二人に向けて不気味に笑む。
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