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「問題無ェ、あんなヤローはただの雑魚だ」
次朗はすぐ目前にいた獅子を素手で殴り伏せさせると、克幸にそう言って滝弥を指差す。
それに対し滝弥は表情が一変し、次の瞬間怒り狂ったかのように高く笑い始め、近くにいた獅子を鋭い爪で片っ端から引き裂き始めた。
「ひゃっはっはっはっ、言ってくれんじゃねえかてめえら。
そんなでけぇ口を叩くくらいなら、俺様と殺り合ってみろよ!」
滝弥は指に付いた獅子の返り血を振り払い、口を大きく吊り上げて笑いながら、
「一瞬だ…」
そう言って舌を出し、突然それを噛み切った。
そして次の瞬間、
「オォオ…ォオオォオォォ!!」
滝弥は唸るように両手で顔面を抑えて前屈みになり、同時に背中が異様に膨らみ、皮膚を突き破って巨大な翼が生え出す。
そしていつの間にか頭髪は黒から白に変わり、全身の身が剥がれて下から羽が生え、口内から鋭い嘴が突き出し、滝弥は二足歩行の人型の鷲のように姿を変えていた。
「くくく…」
「……!」
滝弥はゆっくりと顔を上げて不敵に笑むと、翼を拡げて空に高く飛び上がる。
「ひゃっはっはっはっ!
こっから一方的に引き裂いてやる!
成功作は飛べるだけで有利なんだよ!!」
そして滝弥は遥か上空で二人を見下しながら高く笑っていた。
それに対し、次朗は上に顔を向けて下唇を噛み締める。
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