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克幸は中に入ると、早速最奥にある最も重要な研究をしていたと思われる雰囲気を漂わす部屋の扉を開き、そこへ一歩踏み入れた。
そしてそこに入って最初に感じた事は、
「…!臭ェ…」
凄まじい異臭だった。
やはりここは様々な生物の細胞や遺伝子組換えをしていたという事もあり、狼の能力を持つ克幸にとっては耐えきれない程の生臭い臭いがする。
「臭ェな。ほら、これ使え」
「…!あぁ、有難い」
後を追ってきた次朗もその臭いを気にして、すかさず克幸に湿らせた布を手渡し、鼻を塞ぐよう進めた。
それにより少し落ち着いた克幸は、すぐに部屋の中を手当たり次第に探り始めた。
「どうだ、何か見付かりそうか?」
次朗は一歩退いた所で腕を組みながら待機し、かなり必死な克幸を気長に待ち続けた。
そんな時、
「あ…」
「ん?」
克幸は、とある渇いた黴が生えた埃まみれの古い引き出しの中から、大量のカルテか実験資料のようなモノを見付け、すかさず次朗と共に目を通す。
『◯=成功 ×=失敗
0001…×、0002…×、
0003…×、0004…×、
0005…×、0006…×、
0007…×、0008…×、
0009…×、0010…×、
0011…×、0012…×、』
「…なんだこれは、失敗ばっかじゃねぇか」
「まだあんだろ、次のも見てみ」
克幸は最初の一枚を見終えると、続いて二枚目に目を向ける。
『0013…◯-白虎』
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