プロローグ

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ペナントレースもいよいよ終盤に差し掛かり、首位は2チームに絞られていた。 首位は前年までV4を達成している球界の盟主、東京毎売ソルジャーズ。 それをゲーム差1で追い掛けるは宿敵関西パンサーズ。 そして今日、直接対決の初戦がここ東京ドームで行われる。 この三連戦の結果次第では順位がひっくり返る天王山だけあって、球場には五万の観衆が詰め掛けた。 先発投手はソルジャーズ堀口、パンサーズ江松のエース対決 。 試合は案の定、緊迫した投手戦となった。 互いに一歩も引かず、六回まで無失点。 そして試合が動いたのは七回表、パンサーズの攻撃。 堀口が捕まり、ヒットと四球のランナーを送られ、一死二、三塁のピンチを招き、ここでパンサーズ自慢の強力クリーンナップへと回った。 しかし堀口もエースの意地を見せる。 気迫のピッチングで3番ブースは三振に取り、二死までこぎつけた。 しかし、まだ強打者は続きバッターは4番掛札。 5番岡畑はここまで二安打しているが、やはりこの場面で4番の掛札との勝負は恐い。 今シーズンの成績も掛札が岡畑を上回っている。 バッテリーは悩んだ末に掛札を歩かせ岡畑との勝負を選択した。 しかし、この勝負が裏目に出てしまう。 1-1からの外のストレートを逆らわずに捉え、打球は一二塁間を抜けていく。 三塁ランナーに続いて、二塁ランナーもホームイン。 パンサーズが2点を先制した。 これに奮起し、パンサーズ江松は七回と八回の強力ソルジャーズ打線を無失点に抑え完封ペース。 対する堀口も立ち直り、八回九回を三者凡退に抑えた。 それだけに七回の失点が悔やまれる。 しかしパンサーズ勝利のムードが強まる中、ドラマは土壇場九回に待っていた………
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