思い付いたが吉日

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新婚のケビンとジェニファーはピラミッドに墓荒らしに来ていた。 「今日は暑いわね。ジャック」 ケビンはいまだに名前を覚えてもらっていない。 「そうだなジェニファー。ちなみに僕はケビンだ。まぁ、いい今日の目的はなんだい?」 ケビンは目的を教えてもらっていない。 「水がなくなっちゃったー。」 ちなみに、ケビンは水を飲ませてもらえない。 「ラクダってのりにくーい」 ちなみに、ケビンは徒歩だ。 「場所わすれたー」 ちなみに、ケビンは脱水症状気味だ。 「疲れたー」 ちなみに、ケビンは昨日の夜は寝ていない。 「帰るー」 ジェニファーは本当に帰ってしまった。 ちなみに、ケビンは涙目だ。 いつもケビンはこうなる。 小学校時代は、学校生活の半分を保健室。 もう半分を保健室の隅っこで過ごした。 教室では隅っこで体育座りを日課としていた。 ケビンは優しさが欲しくて、ツンデレの真似が上手くなった。 優しくされると 「バカァ…」 と言いながら抱き付いてくる。 そんなケビンは今、砂漠の真ん中で体育座りをしながら、泣いていた。
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