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「痛っ!!」
どすん!という音と誰かの悲鳴が同時に聞こえた。
俺は身体に感じた衝撃から立ち直ると、誰かを下敷きにしてしまったことに気付き、慌てて起き上がった。
「すみません!大丈夫ですか?」
「なんとか……。大丈夫だよ」
俺が下敷きにしてしまった人は、軽く咳き込みながら上半身を起こした。
その苦しそうな仕草に、俺は申し訳なさで一杯になる。
(いくら急いでいたからっていっても、周りくらい確認すれば良かった!!)
俺はかなり落ち込んでしまい、その場にしゃがみこんだ。
「俺は大丈夫だから、そんなに落ち込むな」
頭の上から優しい言葉をかけられ、俺は改めて声の主を見た。
(うわ……)
俺は思わず、彼を見上げたままの格好で固まった。
(何、この美形!?)
兄や従兄弟を筆頭として、俺の周りには美形が多くて見慣れているはずなのに、彼はその中でも群を抜いていた。
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