†個性的な奴ら†

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「あの……、ここは何処ですか?俺、理事長室に行きたかったんですけど、迷ってしまって……」 景色のいいこの場所で一休みしたい誘惑にかられたが、時間がないことを思い出す。 「ああ、この学校は敷地が広いからな。俺もそろそろ教室に戻るし、ついでに連れて行ってあげようか?」 「えっ!いいんですか?」 (なんて、いい人なんだ) 「でもそんなことをしたら、貴方が遅刻しませんか?」 今でも始業時間ギリギリだ。 俺だけなら自業自得だが、この優しい人まで巻き込んでしまってもいいのだろうか? 「大丈夫。理事長室は教室に行く途中にあるし。それにこのまま君を放っておいたら、無事に着いたか後で気になりそうだしね」 (マジでいい人だ!) 感動してお礼を言おうとして、相手の名前を聞いてないことに気付いた。
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