†個性的な奴ら†

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「こちらこそ、よろしくお願いします。高城翼です。今日からこの学園に転校してきました」 「へぇ」 司堂先輩が、驚きに目を見開く。 一貫教育を基本にしているこの学校は、余程のことがない限り途中編入者を受け入れない。 飛び抜けた何かがあるか、コネでもない限り……。 「翼君は優秀なんだね。今年の入学式も新しい子が入って話題になったけど、きっと君はそれ以上だね」 今度は俺が驚く番だった。 コネもなく、実力だけでここに途中入学出来るヤツがいるなんて。 ちょっと、興味が沸いてきた。 「ここが理事長室だよ」 話に夢中になっていたら、意外に早く理事長室に着いた。 「ありがとうございます」 「どういたしまして。またね」 深々と頭を下げると、彼は手を振って自分の教室に帰っていった。 また会えるといいな、と思いつつ、こんな広い校舎じゃ無理だと思い直した。
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