†プロローグ†

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『ほんっとに行くのか!?翼』 「だから!前からそう言ってるじゃん」 もう何度も繰り返した会話に、俺はため息を吐く。 中学の三年間だけという約束で、両親の海外赴任に付いてきた。 あの時もそのまま日本に残りたかったが、中学生を一人日本に残すのは両親も不安だったのだろう。 半ば無理矢理に連れていかれて、中学時代はアメリカで過ごした。 兄と年が離れているせいか、両親はいつまでも俺を子供として扱う。 今回の帰国も寮があるのと、同じ学校に従兄弟がいなければ実現しなかっただろう。 ただ両親より更に上をいく過保護な人間はいるわけで……。
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