†個性的な奴ら†

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(……マジで迷ったぁ!!) 校門をくぐり、彷徨うこと数十分。 見渡す限り緑ばかりで、校舎らしきものは見当たらない。 まるで森の中に迷いこんだみたいだ。 昨日帰国したばかりで、時差ボケの俺にはこれ以上歩き回るのは、体力的にキツい。 だが道を聞こうにも、誰ともすれ違わない。 (こんなことなら、素直に迎えにきてもらえばよかった) 今更後悔しても、後の祭だ。 俺は今日、この聖和学園に転校してきたばかりだ。 寮生活をしている従兄弟から、初日だから迎えに行こうか?と提案されたが、まさか学校の敷地内で迷うわけがないと思っていた俺は、あっさり断った。 流石に高校生にもなって、迎えに来てもらうのも恥ずかしいし。 だけど――、 こんなことになるくらいなら、プライドを捨てて始めから頼んでおけば良かった!! マジに泣くに泣けない。
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